App StoreからFortniteが削除されたことについて、Epic GamesがAppleに対して起こした裁判で、米連邦裁判所はFortniteのApp Storeでの再公開については強制せず、Epic Gamesのアカウント停止については撤回することをAppleに言い渡しました。
一連の騒動は、Epicが同社のスマホゲームアプリ「Fortnite」にディレクトペイメントと呼ばれる、App StoreやGoogle Playのシステムを経由せずにアプリ内課金ができるシステムを実装した事により、8月14日、規約違反としてApp StoreとGoogle Playから削除されたことから始まりました。Epicは、これに対して反競争的だとしてAppleとGoogleを提訴しました。Appleはその数日後である18日にEpicに対して28日までにアカウントを停止することを通告しました。
Epicは、Unreal Engineというエンジンを開発しており、それは現在、多くのiPhoneやMacのアプリに採用されていることから、アカウント停止は大きな問題になりました。
今回の判決では米連邦裁判所が「EpicとAppleが訴訟を起こすのは自由だが、それに第三者を巻き込む出来ではない」としたうえで、「Fortniteのような規約違反は見当たらず、その措置は厳しすぎる」として、Epic Gamesのアカウント停止は撤回するよう言い渡したものの、Fortniteの再公開についてはEpic自身の行動によるものとして、これを強制しませんでした。
これにより、28日が期日となっていたEpic Gamesの開発者アカウント停止と、Epicの他の作品が削除されるという最悪の事態自体は回避できましたが、Apple・GoogleとEpicの対立は、3億5000万人いじょうのゲーマーと、業界を巻き込む大きな議論となっており、今後も深く注視しておくことが良いかもしれません。