Appleは昨夜のWWDCでMacのプロセッサについて、独自シリコンに移行することを発表しました。
Macの独自シリコンへの移行は、噂されていた、Apple独自プロセッサへの移行を意味しています。Macintoshシリーズとして、プロセッサの移行は2006年のPowerPCからIntelへの移行以来2度目です。現在、MacにはIntelのCoreプロセッサ・Xeonプロセッサが採用されています。
Apple独自シリコンは、iPhoneやiPadに採用されているApple Aチップシリーズがベースになっており、登録した開発者に向け配布される、サンプル製品であるカスタムMac miniには3月に発表されたiPad Proに搭載されているApple A12Z Bionicが搭載されています。
開発者は、x86ベースのIntel CPUからArmベースのApple独自シリコンへの以降に際して、アプリの対応が求められます。Appleはこれについて、Xcodeなどを用いて移行することを案内しています。
Apple独自シリコンに移行することにより、iPhone・iPad・Macを含むAppleハードがすべて共通のベースアーキテクチャで開発されることになり、開発者は開発が楽になるほか、Armの省電力性(電力効率)により、よりハイパフォーマンスで、バッテリーもちが良いMacのシステムが出来上がります。その他、iPhoneやiPadで成熟した、ニューラルエンジンの統合により、非常に優れた機械学習性能に期待できます。
Appleは一般消費者に向けたApple独自シリコン搭載Macについて、最初の製品が今年の後半に出ることを明らかにしており、ソフトウェアでは、WWDCで同時に発表されたmacOS Big SurでApple独自シリコンが利用可能になります。macOS Big Surには、Apple独自シリコンをネイティブにサポートした純正アプリが付属しており、Final Cut Pro X、Logic Pro Xといったプロアプリケーションでもネイティブでサポートされます。その他、サードパーティ製としてMicrosoftのOffice、Adobe Creative CloudについてもApple独自シリコンのネイティブサポートがAppleによって明らかにされたほか、Unityなどの有力ソフトもネイティブサポートすることを明らかにしています。
同社は、Intelベースから Apple独自シリコンベースへの移行期間について、2年間を予定しており、今後もIntel CPUを搭載した魅力的なMacをリリースすることも明らかにしています。